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湊 和生; 赤堀 光雄; 坪井 孝志; 黒羽根 史朗; 林 博和; 高野 公秀; 音部 治幹; 三角 昌弘*; 阪本 琢哉*; 加藤 功*; et al.
JAERI-Tech 2005-059, 61 Pages, 2005/09
乾式再処理プロセス及び酸化物燃料における超ウラン元素(TRU)の挙動に関する各種基礎データを取得するための実験設備として、燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)のバックエンド研究施設(BECKY)内に、TRU高温化学モジュール(TRU-HITEC)を設置した。本設備は、鉄及びポリエチレンで遮へいされた3基の/セルと含鉛アクリルで遮へいされた1基のグローブボックス、並びに内装された試験装置等から構成されており、セル及びグローブボックス内は高純度アルゴンガス雰囲気に維持されている。10グラムのAmを使用可能なほか、TRUのNp, Pu及びCmを取り扱うことができる。本報告書は、TRU高温化学モジュールの概要,設備の構造及び性能,設備性能試験,内装試験装置、並びに試験装置の性能試験についてまとめたものであり、原研と東京電力(株),東北電力(株)及び日本原子力発電(株)との共同研究の成果である。
相原 純; 北條 喜一; 古野 茂実*; 石原 正博; 林 君夫
Journal of Electron Microscopy, 51(2), p.93 - 98, 2002/05
被引用回数:6 パーセンタイル:20.46(Microscopy)SiCは高温用・耐放射線用構造材料及び半導体として期待される材料である。照射下での使用が考えられることから照射下の挙動及び焼鈍による回復に関する基礎的研究は重要である。本研究では透過型電子顕微鏡観察下で-SiCをイオンで室温照射し、照射後焼鈍による組織変化をその場観察した。照射種としては不活性ガスであるNeイオンを用いた。イオンフルエンスを変え、5種類の試料を照射し、400-1100の範囲で等時焼鈍した。照射により、5種類の照射はすべて非晶質化した。焼鈍により、だいたい同じようにエピタキシャル成長が起こった。照射量の多い試料では1000、照射量の少ない試料では1100焼鈍によって大量の新しい結晶核が生成した。また、1000焼鈍によって、大量の核生成が起こった試料でも起こらなかった試料でもバブルの成長もしくは生成が観察された。核生成の照射量依存性について考察した。
山下 利之; 秋江 拓志; 中野 佳洋; 蔵本 賢一; 二谷 訓子; 中村 武彦
Progress in Nuclear Energy, 38(3-4), p.327 - 330, 2001/02
被引用回数:12 パーセンタイル:64.73(Nuclear Science & Technology)余剰プルトニウムの軽水炉での燃焼を目的とする岩石型プルトニウム燃料概念を発展させた。不活性マトリックスの基礎物性と岩石型燃料の照射挙動の研究から、有望な燃料候補として粒子分散型燃料を開発した。本燃料とPuOと種々の添加物を固溶したイットリア安定化ジルコニア(YSZ)球状粒子をスピネルマトリックス中に均質に分散させたものである。また、既存計算コードによる安全性解析やNSRRでの反応度事故実験から、YSZとスピネルから成る岩石型燃料は現行UO燃料に匹敵する安全性を有することがわかった。これらに加えて、粒子分散型燃料の製造や照射試験に関する最近の成果をまとめた。
山下 利之
日本原子力学会「高度燃料技術」研究専門委員会報告書, p.467 - 474, 2001/00
余剰Puを消滅させるための岩石型燃料(ROX)と不活性マトリクス燃料の研究の現状を紹介した。ワンススルー燃焼のROX-LWRシステムは、核拡散抵抗性,環境安全性及びPu消滅率の観点から優れた特徴を有する。不活性マトリクス及び燃料照射の研究から、最も有望なROX燃料として、Puと若干の添加物を加えた安定化ジルコニア粒子をスピネルマトリクス中に均質分散させた粒子分散型燃料を提案した。また、炉心安全解析から、ROX燃料装荷PWRは反応度事故や冷却水喪失事故条件下でも現行UO装荷PWRと同等の安全性を有することが示された。反応度事故を模擬したパルス照射試験においても、ROX燃料の破損しきい値はUO燃料と同等であることがわかった。ROX燃料を用いた場合のPu消滅量はMOX燃料と比べ約2倍となる。
荒井 康夫; 中島 邦久
Journal of Nuclear Materials, 281(2-3), p.244 - 247, 2000/10
被引用回数:40 パーセンタイル:92.08(Materials Science, Multidisciplinary)不活性母材としてZrN及びTiNを含有したPuNペレットを調製するとともに、その確性試験を行った。ZrNを含有したペレットについては、ほぼ単相の(Pu,Zr)N固溶体の形成が確認されるとともに、焼結密度も90%理論密度を越えた。一方、TiNを含有したペレットについては、今回の実験条件においてはPuNとTiNの固溶はほとんどみとめられず、また焼結密度も80%理論密度未満であった。両者とも、通常のPuNペレットに比較して、試料調製中の不活性母材窒化物粉末の酸化に起因すると思われる酸素含有量の増加が見られた。
堺 公明; 岩崎 隆*; 大島 宏之; 山口 彰
JNC TN9400 2000-033, 94 Pages, 2000/04
サイクル機構では、高速増殖炉の実用化戦略調査研究として、多様な冷却材を対象とした幅広い実用化像に関する設計研究を進めている。その一環として、本研究では、鉛及び鉛-ビスマス合金を冷却材とする重金属冷却炉を対象として、重要な熱流動評価項目である崩壊熱除去特性について、ナトリウム冷却炉と比較し、冷却材の相違に基づく崩壊熱除去特性を比較整理することを目的としている。鉛及び鉛-ビスマスの重金属冷却材は、空気及び水と化学的に不活性であることから、経済性に優れた2次系削除のプラント概念が多く提案されている。本解析では、2次系削除プラントを等価的な比較対象プラントとして設定し、ナトリウム、鉛及び鉛-ビスマス冷却材についてSuper-COPDコードによる崩壊熱除去特性解析を実施し、それらのプラント動特性の相違について比較した。また、鉛冷却大型ループ型炉として最適化された設計概念を対象として、崩壊熱除去特性解析を実施した。その結果、一般的な特性として、重金属冷却材は伝熱面の酸化膜形成及び腐食等による伝熱への影響について今後確認が必要であるものの、崩壊熱除去特性に関しては、重金属冷却材は冷却性に優れたナトリウムと同等な除熱能力を有し、特に、受動的崩壊熱除去特性である自然循環特性に優れた能力を有することが明らかになった。
吉田 英一; 青砥 紀身; 平川 康; 田所 裕
JNC TN9400 2000-024, 42 Pages, 1999/10
大気環境中へのナトリウム漏えい燃焼時における炭素鋼SM400B-JIS G3106(床ライナ材等)の腐食減肉評価の信頼性を高めることを目的に、腐食速度評価線の見直しを行った。見直しは、ナトリウム漏えい燃焼環境のひとつである溶融塩型腐食(NaOH-NaO系)について、現行腐食減肉速度評価線の策定後に追加・取得された実験データ(550900C)を用いて実施した。実験結果に基づき、以下のような考え方で評価を行った。(1)NaOH-NaO系の環境中では、炭素鋼の腐食量は時間に比例して増大した。このため、直線則として評価した。(2)腐食減肉速度への実験雰囲気(大気、不活性ガス)や試薬攪拌の明瞭な影響は、認められなかったため、同等に取り扱い評価した。(3)腐食減肉速度は一定NaO濃度以下になると、低下する傾向がみられた。このため、実験中におけるNaO濃度は、Fe(炭素鋼試験片)とNaOとの支配的な反応を維持するために必要な限界濃度以上であることとした。評価の結果、追加されたデータ点数は67点となり、現行評価線に用いた評価データ38点を加えると、合計105点となった。105点を用いてArrhenius Typeで整理し、統計的な評価を行い、以下の腐食減肉速度評価式を得た。CR=C・exp(-Q/RT)ここで、CR:腐食減肉速度,mm/hC:定数Q:活性化エネルギ, cal/molR:気体定数, 1.986cal/mol kT:絶対温度, KQ=9.61kcal/molC=148.29(平均), 262.11(99%信頼上限), 83.90(99%信頼下限)
荒井 康夫; 岩井 孝; 中島 邦久; 白井 理; 鈴木 康文
Proc. of the Int. Conf. on Future Nuclear Systems (GLOBAL'99)(CD-ROM), 8 Pages, 1999/00
原研における窒化物燃料サイクルに関する実験研究の最近の成果を紹介するものである。照射挙動に関しては、JMTRにおける照射試験により基礎的な燃料挙動を把握したのに引き続き、2本の(U,Pu)N燃料ピンが高速実験炉常陽で現在照射中である。約4.7%FIMAの燃焼度達成後、11年度後半からは照射後試験の開始が予定されている。高温特性に関しては、アクチニド窒化物相互の固溶体以外に、ZrNあるいはTiN等の不活性母材を含む窒化物燃料の調製条件の確立及び熱伝導度の評価等が行われた。また、新規装置を用いた熱容量及び熱膨張の測定に着手した。溶融塩電解に関しては、塩化物共晶塩中におけるNpN及びPuNの電解試験が行われ、電気化学測定により陽極溶解機構を調べるとともに固体陰極においてアクチノイド金属の回収に成功した。
山下 利之; 秋江 拓志; 二谷 訓子; 中野 佳洋; 中村 武彦; 白鳥 徹雄; 鈴木 康文
Proceedings of International Conference on Future Nuclear Systems (GLOBAL '99) (CD-ROM), p.8 - 0, 1999/00
軽水炉で余剰プルトニウムを消滅させるための岩石型燃料(ROX)の研究を展開した。ROX-LWRシステムは、核拡散抵抗性、環境安全性及びプルトニウム消滅率の観点から優れた特性を有する。不活性マトリックス及び燃料照射の研究から、最も有望な岩石型燃料として、プルトニウムと若干の添加物を加えた安定化ジルコニア粒子をスピネルマトリックス中に均質分散された粒子分散型燃料を開発した。また、炉心安全解析から、岩石型燃料装荷PWRは反応度事故や冷却水喪失事故条件下でも現行UO燃料装荷PWRと同等の安全性を有することが明らかになった。岩石型燃料のプルトニウム消滅量はMOX燃料と比べ約2倍大きいことがわかった。
荒井 康夫; 岩井 孝; 中島 邦久; 白井 理; 笹山 龍雄; 塩沢 憲一; 鈴木 康文
JAERI-Tech 97-002, 45 Pages, 1997/01
アクチニド窒化物の溶融塩電解と実験用アクチニド合金試料の調製を主な使用目的とするアルゴンガス雰囲気グローブボックス並びに内装機器を製作した。グローブボックスは、アクチニドを安全に取り扱うことに加えて、反応性に富む窒化物や合金試料、さらには塩化物溶融塩等を組成変化なしに取り扱うために、良好な負圧維持機能を有するとともに、高純度の不活性ガス雰囲気を確保することに重点をおいて設計、製作した。主要な内装機器として、溶融塩電解装置、電極処理装置、電解試験装置、アーク溶解炉、試料焼鈍装置及び熱量測定装置を上記グローブボックス内に格納した。これらについても、それぞれの実験目的に合致した諸性能を有していることを確認した。
小原 浩史*; 五十嵐 登*
PNC TJ8164 96-009, 261 Pages, 1996/09
沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor,BWR)商用炉で照射した使用済み燃料被覆管せん断片(ハル)を不活性ガス気流中で圧縮・減容し、発生するジルカロイ微粒子(ファイン)及び気中に移行する放射性核種に係わるデータの取得試験を実施し、以下のような結果を得た。(1)酸洗浄後のハルの内面には、ウラン、セシウム等の核分裂生成物が付着している領域が認められた。(2)ハル外表面最大酸化膜厚さは3060mで、文献データと同等の範囲であった。(3)ハルの圧縮時に発生したファイン重量は約0.20.3gで、圧縮したハルの重量(約3233g)の0.51.0wt%であり、燃焼度の増加に伴なって多くなる傾向が認められた。(4)3233gのハルを圧縮した時に気中に移行したファインの重量は、1mg以下であった。(5)ハルの圧縮時に発生したファインの粒径は1m以下のものから100m以下のものまで観察された。発生したファインの粒径は1m以下のものから100m以上のものまで観察された。発生したファインの粒径別個数頻度では10m以下のものが大半であった。(6)電子線微小分析装置(Electori Probe Micro Analyzer,EPMA)による観察結果では、ファインは全て酸化物と推定された。(7)ハル中のトリチウムの吸蔵量を、ORIGEN-2コードを用いた計算による燃料中の生成量の60%と仮定した時、ハルの圧縮時に気中に移行するトリチウム量は、圧縮したハルのトリチウムの吸蔵量の10^-3%以下であったが、燃焼度の燃焼度の増加に伴なってわずかに大きくなる傾向が認められた。
有賀 武夫; 高村 三郎*; 仲田 清智*; 伊藤 泰男*
Applied Surface Science, 85(2), p.229 - 238, 1995/01
被引用回数:11 パーセンタイル:57.88(Chemistry, Physical)ステンレス鋼中の照射欠陥の挙動に及ぼす不活性ガス原子の影響を調べる目的でArイオンを照射した316ステンレス鋼中の空孔型欠陥濃度の深さ分布を、陽電子消滅線スペクトルの形状因子Sパラメータの最小二乗フィットによって求め、結果を注入原子分布および添加したTiとの関係で検討した。室温で250keVのArイオンを7.510/mまで照射したままの試料中の欠陥分布は、計算による損傷ピークの深さ(~120nm)の3倍の深さで濃度が最大となる。1253Kで0.5hの焼鈍後イオンの平均飛程付近に欠陥濃度のピークが現れ、これはAr気泡によるものと認められる。Tiを0.3wt・%添加した試料では飛程近くには、1073Kの焼鈍ではピークは現れず、Tiの添加によりArを核とする空孔の集積は抑制されたことが、陽電子消滅法を用いた実験から明らかになった。
茶木 雅夫*; 大橋 弘忠*; 秋山 守*; 文沢 元雄
Proc. of the 2nd ASME/JSME Nuclear Engineering, p.151 - 156, 1993/00
高温ガス炉など気体を内包する原子力熱利用機器の配管破断時に生じる空気浸入により、構造物の酸化が起こる。酸化反応低減のため、周囲と密度の異なる不活性気体を注入することが考えられる。注入口付近の流動状況を調べることは安全評価上必要である。このため、気体噴流の数値解析とレーザ流速計(LDV)による流速測定実験を行った。非定常解析の結果、噴出気体は鉛直方向に空気を押し退けながら上昇し静止空気に衝突して水平方向に移動すること、その際に発生する渦が鉛直方向に加速されることが分った。定常解析及びLDVによる実験より、中心軸上流速が加速されること、流速の半値半径が減少することが確認された。
荒井 康夫; 塩沢 憲一; 大道 敏彦
Proc. of the 4th Int. Symp. on Advanced Nuclear Energy Research (JAERI-CONF 1/JAERI-M 92-207), p.167 - 172, 1992/12
原研でこれまで進めてきたウラン・プルトニウム混合窒化物ペレットの調製に関する成果をまとめたものである。混合窒化物は、良好な熱伝導度、高い核分裂性物質密度等高速炉用燃料として優れた特性を有する反面、粉末の対酸化性や焼結性の難点等の調製上の課題が残されていた。原研では始めに、高純度の不活性雰囲気グローブボックス群を整備し、粉末の酸化防止に代表される品質管理を容易に行えるようにした。混合窒化物の合成には、最も経済性に優れた炭素熱還元法を採用し、その中で生成物中に含まれる不純物量を最小に抑える原料中の炭素/酸化物比を決定した。さらに、粉砕、成型、焼結等の条件を検討して、高純度で且つ十分に品質管理された混合窒化物ペレットの調製条件を確立した。
茶木 雅夫*; 大橋 弘忠*; 秋山 守*; 文沢 元雄
Proc. of the 2nd JSME-KSME Thermal Engineering Conf. Vol. 1, p.2-459 - 2-462, 1992/00
高温ガス炉など気体を内包する原子力熱利用機器に配管破断が生じると、空気浸入による炉内構造物の酸化が起こる。酸化反応低減のため、周囲と密度の異なる不活性気体を炉内に注入することが考えられる。注入口の流動挙動を調べることは安全性評価上必要である。このため、気体噴流の数値解析と濃度分布測定実験を行った。数値解析コードではSIMPLEST-ANL法に拡散方程式を追加し、定常及び非定常解析を行った。その結果、噴出気体は鉛直方向に空気を押し退けながら上昇し静止空気に衝突して水平方向に移動すること、その際に発生する渦が直接方向に移動すること及び濃度の半値半径が極小値をもち、実験結果とよく一致することが分かった。
半田 宗男; 高橋 一郎; 渡辺 斉
JAERI-M 82-042, 14 Pages, 1982/05
(U.Pu)Cの予備試験として、UCペレットからの高温放出ガスを高温実験装置により定量し、同装置が所定の性能を有していることを確認した。本装置のガス抽出ラインの途中には、Puを包蔵するための新機構ガスライン・フィルタを設置した。このフィルタは、加熱脱ガス処理をして空試験値を十分小さく抑えることができ、かつ、その性能が保持される。種々な雰囲気中に露出したUCペレットからの高温放出ガス量は、大気中に168時間放置した場合で約20l/g、アルゴンガス中(HO≒50、O≒10ppm)3時間では、約10l/gであり、UCの化学的安定性から予想された値よりも、はるかに小さかった。高温放出ガスの主成分は、水素(75~80%)、一酸化炭素(12~20%)およびメタン(最大で5.5%)であった。これらの結果から、(U.Pu)C燃料ピン製作グローブボックスの雰囲気は、ワンススルー方式によるアルゴンガスで良いことを明らかにした。
半田 宗男; 前多 厚; 矢幡 胤昭
JAERI-M 8406, 12 Pages, 1979/08
分析前の試料の酸素汚染を最小限に抑えることができる新試料調整法を開発した。酸素の定量は不活性ガス融解-電量法により行った。三種類のウランプルトニウム混合炭化物について粉砕に伴う酸素汚染、酸素汚染を差引いた眞の酸素含有値、薄片試料を用いたときの酸素の抽出率を測定した。炭素熱還元法で調整した32種類のウラン・プルトニウム混合炭化物中の酸素の定常分析を変動係数の平均値1.6%の高精度で行うことができた。
半田 宗男; 前多 厚; 矢幡 胤昭; 星野 昭
日本原子力学会誌, 21(9), p.738 - 743, 1979/00
被引用回数:0高速炉用新型燃料の化学分析ラインの性能試験の一つとして炭化ウラン中の酸素の定量を行った。分析前の試料の酸化を最小限に抑えるため、高純度アルゴン雰囲気グローブボックス内で、燃料ペレットを粉砕、秤量し、速やかに白金カプセルに油圧を利用して気密圧封する方法を採用した。酸素の定量は、不活性ガス融解-電量法で行った。本酸素定量法により、炭化物燃料中の0.1~0.6%の酸素の定量を変動係数1~2%の高精度で行えることが分かった。
福島 奨; 阿部 治郎; 高橋 一郎; 前多 厚; 渡辺 斉
JAERI-M 7528, 52 Pages, 1978/02
U-Pu混合炭化物系燃料物質の酸素、窒素、炭素分析用試料を取扱うためのアルゴンガス雰囲気グローブボックスを設計、製作した。本装置ではPuを安全に取扱うことに加えて、分析試料を酸素、水分による組成変化なく取扱うために高純度アルゴンガス雰囲気を保持することに重点を置いて設計した。グローブボックスの酸素、水分漏洩率はそれぞれ6.110,3.110atm.CC/secであった。これら不純物漏洩は主としてハイパロン製グローブ4双からの透過に起因するものであった。グローブボックス雰囲気ガスの純度は酸素、水分ともに1ppm以下を保持することができた。このボックス内に5時間露出した炭化ウラン粉末では、炭素含有量が7.510wt%減少し、酸素含有量は1.010wt%増大した。この程度の組成変化は分析精度からみれば無視できる。
星野 昭; 磯 修一
分析化学, 25(9), p.578 - 581, 1976/09
水素化ジルコニウムおよびウラン-水素化ジルコニウム中の水素を定量するため、ヘリウムキャリヤーと共に固相から水素を抽出し、重量分析する方法を検討した。抽出温度を800Cにした時、ウラン-水素化ジルコニウム中の水素はほとんど抽出できなかった。しかし、1000~1250Cにすると抽出が定量的になったため、水素抽出温度を1200Cときめた。1200Cで抽出時間を検討した結果、20分で水素を抽出できることがわかった。ジルコニウムに水素を吸収させ、その増量から求めた水素と、検討した抽出条件で定量した水素を比較した結果、回収率は100.31.1%であった。2種類の水素化ジルコニウム(粉末、塊)とウラン-水素化ジルコニウム中の水素定量結果はそれぞれ1.950.05wt%,2.120.02wt%,1.490.02wt%(いずれもn=7)であった。